2012年10月5日金曜日

布川事件の桜井さんがいよいよ11月12日に国賠訴訟を提起 支援する会も船出


昨年、晴れて再審無罪判決を勝ち取った布川事件の桜井昌司さんが国と県を相手取って起こす国家賠償請求訴訟を支援する会(名称は『冤罪・布川事件の国家賠償請求訴訟を支援する会』)が結成され、その結成総会が1日、東京都文京区の「文京区民センター」で開かれた。会には、全国各地から60人以上が参加。足利事件の菅家利和さんや氷見事件の柳原浩さんら著名冤罪被害者も激励に訪れ、盛況な船出となった。

 会はまず、かねてより国賠訴訟を提起することを表明していた桜井さんの挨拶で始まった。桜井さんは、「冤罪が次々明らかになるようになった今も警察や検察、裁判所は何も変わっていない。冤罪が作られる原因を取り除くには、国賠しかないと思った」と国や県を相手に訴訟を起こす意図を説明。「3年以内に勝つことを目標に全力で突っ走る。今も自分たちを犯人だと言い続ける検察に『申し訳なかった』と言わせたい」と決意表明した。

 その後にあった谷萩陽一弁護団長の説明では、この国賠訴訟の意義は、(1)桜井さんの救済、(2)冤罪を生んだ公務員一人ひとりの責任を明らかにすること、(3)冤罪を二度と生まない刑事司法の改革に結びつけること――の3点。検察による数多くの証拠隠しが指摘されてきたこの事件では、再審でも隠されたままだった無罪証拠が多数ある見込みのようで、それらが国賠訴訟の中でどれだけ明らかになるかが勝負の大きなポイントになりそうだ。

 弁護団は11月12日の13時に東京地裁に訴状を提出予定。支援する会も当日は東京地裁に駆けつけて宣伝活動を行う予定だ。

片岡健


 挨拶する桜井さん。左は、支援する会の中澤宏事務局長



国賠の意義などを説明する谷萩弁護団長



満員となった会場



応援に駆けつけた管家さん



応援に駆けつけた柳原さん



司会を務めた「無実のゴビンダさんを支える会」の客野美喜子事務局長

2012年9月20日木曜日

冤罪布川事件・国家賠償請求訴訟を支援する会 「結成総会」参加の呼びかけ


布川事件の桜井さん・杉山さんは2011年5月24日無罪判決を得て、守る会も2012年5月26日、目的を達成して解散しました。しかしこの無罪判決は誤判の原因と責任を明らかにしておらず、検察・警察は未だに二人を犯人と強弁する姿勢を崩していません。
 桜井さんは、検察・警察・裁判所の責任を追及し、冤罪をなくすため全証拠の開示・取調べの全面可視化の制度を実現することを目指して、国家賠償請求訴訟をおこすことを決意しました。
 私達有志は、桜井さんのこの決意に応えて、布川事件の国賠請求訴訟を支援する会を立ち上げることにしました。是非ご参加・ご入会ください。

 と き 10月1日午後6時30分
 ところ 文京区民センター3-C   
 ・都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅 徒歩1分
 ・営団地下鉄丸の内線 後楽園駅 徒歩3分
 ・JR 水道橋駅 徒歩7分    03(3814)6731


 布川国賠を支援する会準備会

2012年6月27日水曜日

延々と続く大分清川女性殺害事件控訴審 一年を経ても結審の見通しすら立たず


本誌15号で取り上げた大分清川女性殺害事件の控訴審が7月で初公判から一年を迎える。

  大分地裁(宮本孝文裁判長)の第一審では2010年2月、強盗殺人罪や住居侵入罪で起訴された男性・伊東順一さんが完全無罪判決(求刑は無期懲役)を言い渡されたが、大分地検が控訴。昨年7月から始まった福岡高裁(服部悟裁判長)の控訴審では、検察側が延々と証人を請求し続け、裁判官がそれをことごとく採用するため、審理が長期化している。現時点で年内にあと3回の公判が開かれる予定だが、一年以上の審理を経ても結審の見通しすら立たない状況だ。
弁護側によれば、今月19日の第16回公判までに法廷で取り調べられた証人は30人を突破。弁護人の一人は「裁判官は今のところ、検察官が控訴審になって請求した証人をすべて採用している。この感じだと、最終的に50人以上の証人を調べるのではないかと思うが、一体いつまで続くのか・・・・・・」と疲れをにじませた。伊東さん本人は現在、公判に出廷していないが、第一審では計32回の審理を経て無罪判決を勝ち取ったにも関わらず、その後も延々と被告人という立場に置かれ続けている状況に当然のごとく怒っているという。
本誌で詳報した通り、有罪証拠は事実上、捜査段階の自白しか存在しなかった上、その自白も様々な点で疑わしく、第一審の無罪判決はきわめて妥当だったこの事件。検察側は控訴したものの、控訴審でもめぼしい物証は何も提示できず、次々に出廷する検察側証人からも有罪を裏付ける証言は何も出てこない。被告人側が一審判決を不服として控訴した場合、控訴審は1、2回の審理ですみやかに終結して控訴棄却されるのが通常なのに、検察側が無罪判決を不服として控訴した場合、なぜこんなことになるのか・・・・・・あまりにもアンフェアな裁判がいま、福岡高裁で延々と続いている。
                                      
                                          <文責・片岡健

                                                              
【大分清川女性殺害事件】
2005年3月、大分県の大野郡清川村(現在は豊後大野市清川町)で一人暮らしをしていた女性・山口範子さんが自宅敷地内で何者かに頭部を執拗に殴打されて殺害され、遺体で発見される。約2年後、山口さんの知人である伊東さんが強盗殺人などの容疑で逮捕・起訴され、いったんは自白に追い込まれたが、公判では否認。第一審・大分地裁の宮本裁判長は、自白の信用性を否定し、伊東さんに無罪判決を言い渡すと共に取り調べの一部について、「令状主義を潜脱する違法なものであった可能性を否定できない」と批判していた。

2012年6月7日木曜日

東電OL殺人事件 再審開始決定と刑の執行停止決定!

本日午前10時、東京高裁は東電OL殺人事件で無期懲役が確定したゴビンダ・プラサド・マイナリ氏の再審開始を決定すると同時に、刑の執行停止を決定した。争点となったDNA鑑定について決定では、「(弁護側の新たなDNA鑑定結果が)公判で証拠提出されていれば有罪認定できなかったと思われ、無罪を言い渡すべき明らかな新証拠。受刑者以外の男が被害女性と性的関係を持った後に殺害した疑いを生じさせている」として、弁護側の主張に沿った判断を下した。
「無実のゴビンダさんを支える会」では、当初高裁に対して刑の執行停止を申し入れる予定だったが、図らずも刑の執行停止決定が出たことでゴビンダ氏本人はもとより、妻ラダさん、娘ミティラさんやエリサさんらご家族、関係者の喜びもひとしおであった。
検察は決定を受けてすぐに異議申し立てを行ったが、ゴビンダ氏は決定通り横浜刑務所から即日釈放された。現在東京入国管理局横浜支局に滞在。所定の手続きを経て、近日中に家族とともに帰国の途につく可能性が高くなった。



2012年5月25日金曜日

再審請求退ける不当決定  「名張毒ぶどう酒事件」


本日、午前10時、名古屋高等裁判所(下山保男裁判長)は、名張毒ぶどう酒事件(1961年)の無実の死刑囚、奥西勝さん(86歳)の再審請求を、再び棄却する不当決定を行った。

奥西さんは、05年名古屋高裁で再審開始決定を勝ち取ったが、検察の異議申し立てにより、06年同じ名古屋高裁(門野博裁判長)で決定を取り消され、最高裁に特別抗告。最高裁は、犯行に使われた毒物が奥西さんの所有していたニッカリンTと同一であるか否かの科学鑑定について、審理が尽くされていないとして名古屋高裁に差し戻していた。
今回の棄却決定は、毒物には、ニッカリンTとは異なる物質が含まれてはいるが、経年変化などで生じた可能性もあるとして、ニッカリンTではないとは言い切れないと認定した。「疑わしきは被告人の利益に」の大原則を裁判所自らが投げ捨てた認定と言わざるを得ない。
さらに捜査段階の「自白」は「根幹部分で信用できる」と述べ、数々の無罪証拠を無視した上で、虚偽自白に依拠した決定を行った。

86歳と高齢で、体調もすぐれない奥西さんが待ち望んでいた吉報はまたしても裏切られ、さらに再審開始が先延ばしとなった。決定後、奥西さんに面会した弁護団によれば、奥西さんは「ありがとう」とまず弁護団の労をねぎらい、「今回は残念だったが、次の勝利を信じているので、一層の支援をお願いします」と話したという。
鈴木泉弁護団長は、ただちに特別抗告の準備に取りかかる、と言明した。

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ニッカリンTが犯行に使用されたか否かの論点について、検察側主張が破綻していることは、本誌13号「名古屋高裁よ、三度目の過ちは許されない!」で詳しく紹介している。


2012年5月23日水曜日

最新号


来週の月曜、5月28日に
冤罪File No.16
全国発売です。





2012年5月14日月曜日

名張毒ぶどう酒事件 いよいよ再審開始決定へ!!


名張毒ぶどう酒事件(詳細は本誌2009年6月号)の異議審差し戻し審の決定期日が、5月25日(金)午前10時と明らかになった。

1961年の事件発生からは、すでに51年を経過した冤罪事件で、一審無罪(津地裁)だった奥西勝さんは、二審で逆転有罪・死刑判決(名古屋高裁)を受け、その後刑が確定。死刑囚として無実と再審を訴え続けている。
2005年、第7次再審請求が認められ、再審開始が決定された。しかし、検察が異議を申し立て、2006年、名古屋高裁がこれを認めて再審開始決定を取り消した。(門野博裁判長)
奥西さんは特別抗告を申し立て、これを受けた最高裁は2010年、原決定を取り消して名古屋高裁に再び差し戻し、これまで同高裁刑事2部で審理が行われてきた。

こんどこそ、86歳の無実の死刑囚、奥西勝さんの再審開始が決定され、すみやかに無罪判決が勝ち取られなければならない。