昨年、晴れて再審無罪判決を勝ち取った布川事件の桜井昌司さんが国と県を相手取って起こす国家賠償請求訴訟を支援する会(名称は『冤罪・布川事件の国家賠償請求訴訟を支援する会』)が結成され、その結成総会が1日、東京都文京区の「文京区民センター」で開かれた。会には、全国各地から60人以上が参加。足利事件の菅家利和さんや氷見事件の柳原浩さんら著名冤罪被害者も激励に訪れ、盛況な船出となった。
会はまず、かねてより国賠訴訟を提起することを表明していた桜井さんの挨拶で始まった。桜井さんは、「冤罪が次々明らかになるようになった今も警察や検察、裁判所は何も変わっていない。冤罪が作られる原因を取り除くには、国賠しかないと思った」と国や県を相手に訴訟を起こす意図を説明。「3年以内に勝つことを目標に全力で突っ走る。今も自分たちを犯人だと言い続ける検察に『申し訳なかった』と言わせたい」と決意表明した。
その後にあった谷萩陽一弁護団長の説明では、この国賠訴訟の意義は、(1)桜井さんの救済、(2)冤罪を生んだ公務員一人ひとりの責任を明らかにすること、(3)冤罪を二度と生まない刑事司法の改革に結びつけること――の3点。検察による数多くの証拠隠しが指摘されてきたこの事件では、再審でも隠されたままだった無罪証拠が多数ある見込みのようで、それらが国賠訴訟の中でどれだけ明らかになるかが勝負の大きなポイントになりそうだ。
弁護団は11月12日の13時に東京地裁に訴状を提出予定。支援する会も当日は東京地裁に駆けつけて宣伝活動を行う予定だ。
(片岡健 )
挨拶する桜井さん。左は、支援する会の中澤宏事務局長
国賠の意義などを説明する谷萩弁護団長
満員となった会場
応援に駆けつけた管家さん
応援に駆けつけた柳原さん
司会を務めた「無実のゴビンダさんを支える会」の