2012年1月26日木曜日

「5点の衣類」は、やはり警察によるねつ造だった!


袴田さんの無実を証明したDNA鑑定

発生(1966年6月30日)から半世紀近くを経過した袴田事件が、2011年12月22日をもって急展開する--本誌は14号でこう伝えた。犯行時に袴田氏が着用し、被害者の返り血を浴びたとされてきた「5点の衣類」のDNA鑑定が行われ、その結果がこの日に公表されるからである。
そして明らかになった鑑定結果は「5点の衣類は警察によるねつ造である」という弁護側主張を100%証明するものだった。
だが、新聞もテレビも、何故かこの重大な事実を正面から伝えようとしない。28日に発売となった本誌15号では、袴田さんの無実を証明したDNA鑑定の内容を徹底的に分析している。
是非、本誌を読み、袴田さんの無実はもはや、火を見るよりも明らかだという真実を知って頂きたい。

「5点の衣類」とは、袴田氏が犯行のときに着ていた衣服だとされ、それに付着している3種類の血液は、被害者の返り血と、袴田さん本人が犯行時に負傷した際の血痕だとされてきた。袴田事件最大の物証である。
だが、弁護団推薦鑑定人の鑑定結果によれば、5点の衣類からは、被害者とは異なる4名以上の血縁関係のない人たちのDNAが検出できた。これ以上に決定的なねつ造の証明はない。長年の論争に最終的に決着がついたのだ。
そもそもこの衣類は、事件から1年2ヶ月も経過してから、徹底的に現場検証されていた味噌工場のタンクの中から発見されたという経緯自体が、大きな疑惑を呼ぶものだった。
一方、検察推薦の鑑定人は、鑑定に失敗してしまった。そして、かわりにミトコンドリアDNA鑑定という、より識別力の弱い方法のみを行い(それも実は不完全なもの)その一部分から混合DNAが検出された。それをとらえて、検察は袴田氏の血痕が付着している可能性も排除できないなどと主張する。そして、その尻馬に乗った一部マスコミが、(弁護側、検察側)両鑑定結果が分かれた、などと書いている。だが、5点の衣類から被害者のDNAが全く検出されず、他人の血痕であったことが判明したという動かせない事実の重みが何を意味するのか、報じていないのはどういう訳なのか?この事件の争点自体をまったく理解していないとしか考えられない。

本誌15号の記事では、検察推薦鑑定人の鑑定がいかに鑑定の名にも値しないお粗末なものであるか、無責任で不誠実なものであるのか、専門家による検証も踏まえて詳述した。
DNA鑑定という一見素人には難しくて理解できそうにない、と思えるものも、けっして目をそらすことなく自分自身で理解しなくては、嘘だらけの検察のデマゴギーに惑わされるばかりだ。

<文責・今井恭平>